H.I.D.(High Intensity Discharge system)
 
  最近、やたら青白く眩しいヘッドライトで街中を走る4輪を見ることがないでしょうか?あれは大抵H.I.D.(High Intensity Discharge system)と呼ばれるヘッドライトでございまして、フィラメントを発熱させて光るこれまでの電球とは違い、ガラス管の中に封入されたキセノンガスを高電圧で昇華させ光らせると言う、エジソンが見たらびっくりの構造をしております。 
  最近は低価格化でかなり普及してきましたが、それでもまだまだ高価であり、その昇電圧を行う機構が面倒くさい(場所もとる)ので、2輪車にはまだまだ普及はしていない状況です。しかしながら、H.I.D.の魅力は省電力で高輝度を得られるところにありまして、発電能力が低くバッテリ容量も大した事がない、そのうえ行灯ヘッドライトのカブに装着が出来るのならばそれは素晴らしい事でございましょう。 
  というわけで、H.I.D.一式が手元にあったので付けてみることにしました。 
 
  これがH.I.D.一式。本来ならば4輪車用であり、一式といえば2セットあるものなのですが、2輪車用として買ったので1セットでございます。大阪のMOTOLINKと言うバイク屋で73,290
円(税込み)・・・今考えればもっと安く手に入れることができたのでしょうが、素直に買っちまったのでありました。 
  そもそもこれはTBI参加に際し、XR400Rに装着する為に買ったものであります。んで実際装着してTBIを走ったのですが、3日目朝のSSでガードレールに特攻してしまいバーナーを装着していたレンズを大破、結局ナイトランでその威力を発揮したのはたった1回だったのでした。それでも猛烈に明るかった印象は鮮明です。 
  で、左上の方に見えるのが電球・・・バーナーと言います。左下にあるのがバラスト、100Vを18000Vにまで昇圧する装置。真ん中に写っているのがイグナイター(インバータ)、バイクで発電され蓄電されたDC12Vを、安定したAC100Vに昇圧する装置です。 
  H.I.D.の何が高いって、イグナイターとかバラストとか、そんな複雑な機構の為。ただ、だんだん世代も進んできていて、イグナイターとバラストが一体化したものとかが出て来て低価格化が進んでいます。それでもバーナー1本10,000円じゃ買えないのよね・・・TBIの時、レンズは大破しても、バーナーだけは無事だったのは勿怪の幸いでした、精神的にも懐的にも。
  まずはバーナーをどうやってレンズに固定するかなのですが、これは手元にPressCub50のあの籠の下に出っ張っているライトが一式余っていたのでそれを加工したのであります。ということでH.I.D.の装着場所は本来ヘッドライトがある場所。
  んなもんで、本来のヘッドライトはポジションライトがあるところ(SuperCubのヘッドライトの位置)に移設しました。そうなると籠で遮光されていまいち可視性が落ちるのですが、どうせ行灯ヘッドライトに頼る気は毛頭ないので(とにかくHI/LO切替が出来て車検が通ればそれでよかった)、そんなところに追いやったのです。 
  で、普通にバーナーを固定は出来ないので、元々あった電球固定用の金属はペンチで剥がしてしまい、レンズの裏側にネジ穴を掘って(まぁ、リフレクターに貫通しちゃうんだけど気にしない。マルチリフレクターでもないんだから気にするほうが野暮)、バーナー押さえの金具を、1mmのアルミ板でこれまたやっつけ仕事で作成しネジ止しちゃいました。これでもがっちりバーナーは固定されています。
  もっと時間があれば、HI/LO切替の機構くらい作っちまったところだけど、ちっと無理でした。
  でコネクタを付けてもとのレンズケースに収めちまいます。元々のヘッドライトのハーネスは、ウィンカーハーネスと一体になっているので撤去はせず、またもとの通りにヘッドライトを戻せる様に残しておきました。
  バーナーから伸びる第1の関所・バラスト。本当は濡れるところや振動の多いところにつけるのはタブーなのでライトケースに収めたかったところなのだけど、収まらなかったのでライトケース傍の籠にタイラップで固定。一応ビニルテープで防水もしてあります。
  バーナーとバラストの間のケーブルは延長が出来ないので、どうしてもこんな位置になってしまったのでした。
  第2の関所、イグナイター。これが1番場所とります。んなもんで装着場所に悩んだのですが、左サイドカバー・・・普段は車載工具が納まっているところに置いてみたらばっちり納まりました。どうせ工具は別口で持って歩くので車載工具はなくても構わなかったのでした。
  今回、H.I.D.の電源はバッテリー直付けにしました。メインハーネスを通すにしても0.5sqみたいな細いコードは使いたくありませんので(ロスが大き過ぎるし火事もイヤだ)2.0sqのコードで専用ハーネスを作成。その結果、サイドカバーとかレッグシールドから妖しいコードが見え隠れするようになったのですが・・・
  まぁそれはさておき、ロスも恐いしon/offもハーネスにスイッチ直かましでは意味がないのでリレーも組んでみました。秋葉原で1個100円のヤツ。全然問題なく動いてます。ついでに30Aのヒューズもかまして見ました。
  ただ、いろんなものつけたものでギボシの数が多くなり、これがあとで結構影響が出てくるとはこの時点ではまだ分かりませんでした。
  ちなみに、バッテリはー新品に交換しました。
  その、リレーのスイッチ。
  無理矢理作った基台にタイラップで固定。ここに限らずタイラップ多用しまくり。何しろこの施工が8月28日とかだったもので焦っていたのでございます。群馬トレイルレイドは9月1日です・・・
  お約束の明るさ比較。まずはノーマルのヘッドライト。・・・・・・なーんにも写ってないように見えますけど、ちゃんと照らしているのであります。デジカメの性能のせいもありますが、フラッシュなしで撮ったらこんなことになってしまったのでした。
  しょうがないので画像処理ソフトで補正。そしたらなんとか照射は分かるようになりましたが・・・そこまでしないと何がなんだか分からないのでありました。
  これがH.I.D.の威力。当然ノーマルの時と同じ条件で撮影、フラッシュも使っていません。素直に明るいっす。少々左曲がりなのはこの際目をつぶることにしましょう。対向車にやさしく、ということで。
  でも、これでやっと普通の4輪のヘッドライトと同じ位の明るさの半分なんですよね・・・普段が相当に暗い、という事でしょうか。

装備品に掛かった費用・・・
1)HID一式  73,290円
2)バッテリー  7,329円
合計  80,619円


この項目のTOPへ | シートの項へ

総合へ