こんなお客さんもいます

いいお客さん、いやなお客さん、好きなお客さん、嫌いなお客さんいろいろいますが、
お金さえ払ってくれればみんないい人。でも、つい心の中で差別しちゃうんですよねえ。
別に、サービスとかで差別したりする訳じゃないんだけどね

その4
 支払いが悪い人はどこにでもいますが、「今からパチンコ行くから!」って言って払わないおっさんが、次の日に行って払ってくれたためしは無い。あと、本当に財布の紐をおかあちゃんに縛られてるのか、どうしても自分の財布からは払わない人とか。ね。
 メーター回ってるから呼び鈴をさんざん押して、ふっと横を見ると風呂場の電気がついていて、そこから「もう少ししたら来てくれる?」と言う声にびっくりしながら「は、はい!」と答え、20分後に行くと、パンツ一枚首にはタオル、と言うわかりやすい風呂上がり姿で出てきてくれたり。
 あとね、インターホン押して出て来ない時、自分は一応ドアノブ回すんですが、その家はドアが数cm半開きだったので、しめた!と思い覗き込むと、人の気配。とりあえず開けてみると、あらビックリ!すぐそくに人が倒れているではないですか!と思ったら、グ〜といびきかいてやがったのだ。見るとすぐ目の前の机に財布があるし、よっぽどお金と領収書を交換しておこうかと思いましたよ、ホントに。それにしても下駄箱の近くでパンツ一枚で寝るそのおっさんが、全く自分に気付かないで寝てるのが、いや、なんとも。でした。
 
その1
  
  そうねぇ、数日前に集金しに行った時、自分自身の配達について言われたんですよ、と或るお客に。ってぇかぶっちゃけていえば弁護士さんとその親との2世帯住宅、それで両方が読者であります。で、その家の門柱にはポストがあるんですが、1つしかなくて、そのポストに新聞を投函するなと言われます。しょうがないから門を開けて、階段を昇って、わーざわざドアのノブに挟みに行かねばならないのですよ。まー、2部一緒に入っていると気分が悪いとか、そんなお客の勝手な理由があるんでしょう。自分にはなんら関係ない事ですけど、とにかく新聞を手間かけて配りに行く所って訳です。
 これで集金に何の関係があるかと言いますと、こんな事を言い出したんですネぇ「あのね、おたくが配達していたかどうかは知らないんだけど、雨の日の配達の時についたみたいで、足跡の形にオイルが玄関前のタイルに染み込んで落ちないのよねぇー、気を付けてくれない?気分悪いから。」(要約)・・・そんなこと自ら進んでやっているはずはありません。当然です。もちろん足跡をつけたなんて記憶なんかあるはずありません。好き好んでやるわけないじゃないですか。だから事実を知らされて初めて事態を知ったんですけど・・・
 その言い方がネチネチネチネチネチネチ、なんですよ。今回上階に住む親のほう(バアサン)に指摘されたんですが、いい歳してそういう言い方はどうでしょう?と首を傾げるほど。どんな育ちをしてきたかまで知れてしまう程、などとハッキリ言ってみましょうか。3ヶ月交替でころっころ購読新聞を替える、それも団カード(つまり材料ばら撒かれたかな?と推測される)でしか揚ってこないようなお客。でも金持ち、豪邸に住んでますよー。

 「あのね、アナタの要望でドアのところまで新聞持って行ってるんですよ?門に立派な、新聞配達員をして”新聞、入れてぇー!”と配達魂をくすぐるようなポストが付いているのに。その結果どうしたってここ(足跡がついているところ)を通らざるを得ないんですよ。でもね、足跡がつくかどうかなんて事を毎日注意しながら、気を回しながら配達なんかとてもではないが出来ないんですよ。この家だけに気を使っていると言う訳にはいきませんからね。ましてやそこだけ靴を履き替えてなんてのは考えもしなかったことです。ですからその足跡は諦めてください、そのうち風化するでしょう。一応これからも気をつけるつもりではいますよ。しかし”もう絶対に同じ事をやらない”と言う保証は出来ません。今まで通りドアまで新聞を持ってきてくれと言うのですから。それが不満なら、少々ガマンしてもらっても下のポストに新聞をとりに来てもらいたいですね。それか金持ちなんでしょうから靴の2つ3つ恵んでくれるなら、喜んで門をくぐったその場から靴を履き替えて行きましょう。:-pもっと言わせてもらえば、なんでも不満があるようならば別にウチから新聞とって貰わなくてもかまわないですから。とっとと他紙でも読んでください。あ、これが一番自分にとっても嬉しいかもしれません。なにしろ手を伸ばせばそこにポストがある、配達員的に相当に恵まれた家なのに、まるで蛇の生殺しのように足労掛けて新聞を届けなければならない、そんな状況から開放されるんですからー。」

  ・・・これをそのままお客に向かって口に出したら読者なんか居なくなってしますって。あくまで心の内で、お客のネチネチネチネチを右耳から左耳、左耳から右耳に聞き流しながら考えていた”本音”です。特に「別にウチから新聞とって貰わなくてもかまわないですから」、これは是非言ってみたい一言ですね。そりゃもう気持ちが良いでしょうねー心晴れるでしょうねー接客業やっていたら一度は言ってみたい言葉でしょう。本当に言ったら自分の身分じゃ販売店から干されてしまうでしょうけど。この世界から足を洗う直前に言ってみようかしら?
  もちろん、今回は平身低頭「気をつけます、済みません」の連呼で応対するしかなかったんですがね〜。まー、振り込みでもない限り1月に1回確実に顔を合わせる新聞屋の人間ですから、配達に関しての苦情をどうしても受けてしまうんです。新聞屋に対する鬱憤、電話を掛けてこなくても実際面と向かってしまうと言いたくなるものなのでしょうね。そこが人間の性分と言うものなのでしょうか。
(事実に基づいて再現してあります(謎))
 
その2

おばあちゃん相手の集金で、一つ。
このおばあちゃんは大抵家にいてくれている、自分にとってはとてもいいおばあちゃんだったんです、その日がくるまでは。とりあえず、その日までは、別にいや〜な人でもなかったんです、それまでは。今となっても、別に大きな問題点はないんですが、その日の出来事をここに書いてみます。
 その日、その家の前に自転車を止め、いつものように冊子と袋を手にとって、その家に続く飛び石の上を歩き、「確かこの家は奥の方の家にいくんだったよなあ、おばあちゃんだったよなあ」な〜んて考えながら歩いて行き、その奥の家の玄関の前に立った。呼び鈴もなんにも見つからないし、玄関を使った形跡も何もなくなんか塩が吹いてるのか、かびてるのかその引き戸は白かった、そこで、ちょっと先月を思い出す。「あ〜そういやあ裏口だったな」思い出して、裏口の方に向かった。裏口も裏口で怪し気、壊れていそうな雰囲気をかもしだしている。う〜ん。しかし先月の記憶と、僅かな人の気配を感じ、とりあえず呼び鈴もないので、ドアを叩いた。「ドンドン!」とりあえず言っておくか「○○新聞です!集金お願いします!」少し待つ。う〜んなんとも言えない感じだ。でもおばあちゃんだった気がするから、しばらく待っていた。すると中から「う〜」と低い声。うなり声みたいにも聞こえる。とりあえず人はいるようなので、もう一度「○○新聞です!集金お願いします!」と言ってみる。・・・反応があるのかないのか。悩んだが、結局ドアに手をかける。か〜るく開いてしまったので、とりあえず「失礼しま〜す」などと言って中に入る。そこで目にしたのは!おばけではなく(おばあちゃんすみません)なんとかはいずってでもドアに近付こうとしている、老婆の姿だった。部屋の中を見回して、こぎれいな感じがしたのでとりあえず、近くに来るまで待つ事にした。しばらく経っておばあちゃんがやっと近くまで来た。なんか言っているようなので、聞き返すとか細い声で「なあ〜に?」ときた。少しズッコケながら、「新聞の集金ですよ!」と大きな声で言う。すると、少し思考中モードになった後、またもぞもぞと動きながら奥の方に動いていこうとする。ゆっくりと、しかしなにか目的のある様子。
 とりあえずここは下手に動いて怪しまれるよりおばあちゃんを見守ろうと、見ていた。が、目線は近くにある生活用品に眼がいってしまう。玄関先はごちゃごちゃしている割に、中は結構整然としている。細かいものもちゃんと袋とか、箱にまとめているようだ。あ、おばあちゃんどうしてるかな?と、視線を戻すと、押し入れの前で立ち止まり、押し入れを開けていた。あ〜こっからお金が出てくるんだ。ちょっと時間がかかっているのは気になったが、とりあえずありありとため息もつけず、見ている事にした。手が届きそうにない所に手をのばし、なにかを取ろうとしていたので、バランスを崩して死なれては困るな〜と思って、「おばあちゃん手伝いますよ」と言って、家の中に踏み込んで(もちろん靴は脱いで)、「なにをどうするの?」と聞きながら、ゆっくりおばあちゃんの言う通り箱を上げたり下ろしたり。あんまり興味深い眼をしてはいけないが、ついじっと見てしまいたくなる自分を押さえ、おばあちゃんの指事に従う。で、「あ!これこれ」とおばあちゃんが言うから期待して、その何かが(きっとお金が)入っているだろう箱をおばあちゃんが開けるのを見守った。「あったあった」と言って出てきたのは、なななんと!森永ミルクキャラメル(しかも袋入り120g)!これにはまいったぜ。あ〜た、いくらおばあちゃんだからって、そんな物じゃ新聞代の足しにもなんないぜ、た〜のむよ。しかもおばあちゃん得意げで、嬉しそうだし。困った。しかもこんなに時間をかけて、ガックリきてまった。
 結局、そこからもう一度『お金は?』と聞いてみると、「あ〜財布こないだなくしちゃってね〜」な〜んて言っている。早く言ってくれ〜!!!と言いたいのを押さえ「この箱はどうしたらいいの?」と聞いて、また指事通り元に戻して、帰り際に「今度は何時くればいい?」と一応聞いてみた。「法事があるから、来週くらい」という答え。ぼけてるわけではないらしいが!!!う〜ん困った。とりあえずここにいてもしょうがない。切ってしまった半券はちょっと嫌な感じだが後でセロテープでつないどきゃあなんとかなるか。なんて思いながら「じゃあまた来ますね、おばあちゃん」と言い残し、行こうとするとおばあちゃん「これもってけ」と先程のキャラメルを手渡してくる。複雑な気持ちになりながら、「ありがとうね」と言って受け取った。おばあちゃんは満足げな笑みを浮かべていた。う〜ん
 そしてなんとか気持ちを取り戻し、次の家に向かったのであった。しかし、あのロスタイムが響き、あんまりできませんでした。
 この話には後日談があり、結局その「法事」の約束の前に、そちらの息子さん(手前の家に住んでいる)がお金を払いに来てくれました。息子さん曰く「おふくろぼけてるから、今度から家の方に来てくれる?」とのことでした。しかし、先月も先々月も普通に貰ったし、法事のこととかしっかり言ってたし、キャラメルの場所も知ってたし(笑)、ぼけてたのかなあ??という迷いがあって一応聞いてみた。「法事がどうとか言ってましたよ、財布なくしたとも」ときいてみると、「あ〜あれねえ変だなあ、ぼけてるからねえ」などと返された。ひじょーに今でも不思議な感じがする出来事でした。
 
 
その3 1999/05/18

ついこの間の事。
この間、都知事選や、区議会選挙などがありました。その時の集金の時の出来事です。
 まず、選挙の前の月の集金の時。ある家に集金に行くと「あなたもう二十歳?」と聞いてくるではないですか。とりあえず二十歳は過ぎているので、「そうです」と答えると、にっこりして、「じゃあ投票権あるよね、今度の区議会選はし○ん○わ○つ○に入れてもらえない?お願いね!」と言ってくる。普段仲が良い訳じゃあないが、とりあえずお客さんの機嫌を損ねるのもなんだし、とりあえず「は、はぁ」とうやむやな返事をしておいた。しかしおばさんは、もうこっちの返事なんぞ聞いていないとばかりに「わかった?し○ん○わ○つ○し○ん○わ○つ○お願いね!」と選挙カーのごとく唱えて、一方的にドアは閉まった。もうなにがなんやら鳩が豆鉄砲くらったみたいになってしまいました。
しかし、それだけではすまなかった。とりあえずその家はなんとかかわしたが、まだ序の口だった。また数件後の家でもやっぱり「し○ん○わ○つ○」の名前が出た。とりあえずのところ、前の家で免疫があったのでよかったが、もし自分がし○ん○わ○つ○に1票入れたところで、このおばちゃん達は私が言ったから1票入ったと、2人とも思っちゃうんではないだろうか。架空の想像票が1票増えるということだ。良く解らんが、とりあえずおばちゃん達は、あの台詞を言った自分に酔っているだけなのではないか?そう思う事にして、次なる家をどんどん攻めた。丁度このことを忘れかけた頃、またある家で「あなた二十歳?選挙権あるわよねえ」と言われた。ああきたかと思ったが、ここで、19歳ですと答えると話は腰砕けになるのだが、後々困るのでとりあえず肯定はしたが、次に出てきた言葉がこれだった「今度の選挙、お○み○ち○に入れてね、お願いよ!」あ〜またかと思えば、今度は違う名前が出てきた。これには困った。まあとりあえず、どっちつかずな返事をして、その場は終わった。とりあえず自分は区議会などさっぱり解らんし、誰でもいいと思ってるから、いれてあげてもいいのだが、2人も名前が出てきてしまうと、解らないとはいえ、妙な感じがする。結局、その月の集金を終わってみれば合計3人の名前が出てきたのである。公平にするとなると、それ以外の人に入れるのが1番の選択だろう。とりあえず、店にもいろいろな選挙事務所からの電話がかかってくる。もう訳がわからんでした。
で、うちの店は中途半端な人間が多く、選挙権があっても、住民票がこっち(店の住所)に無い人間ばかりなので、正式に選挙の葉書が送られてくるのは1人しかいなく、どんなに選挙活動しても意味のない人間ばかりだった。かくいう自分も、引っ越して来たばかりなので選挙権はどの行政区にもない。なのに勧誘されている。下手なことは言えなくなった。う〜ん。次の集金で忘れていてくれる事を願っていたのだった。
しかし!次の初集の日は区議会選の投票日だったのだ。自分が初集に回ったのはそれから3日後の事だった(別におばはんから逃げる為では無く、用があったのだ。)集金先が1軒選挙事務所になってて、当選したのか花束やらなんやらでいっぱいだったので、とりあえず「おめでとうございます」と社交辞令的挨拶をして、集金をした、向こうはニッコリ微笑みかえっていた。それがまずかったのである。そこの事務所はし○ん○わ○つ○の事務所だったのである。そこを午前中に集金し、このあいだの家にお昼過ぎに行った時の事である。「あなた、応援してくれたんだって?ありがとうね!」と言われてしまった。投票権すらなかったとはとてもじゃあないが言えなかった。まあ喜んでるからいいが、とても他の人の名前を言ってきた人には見られたく無い光景でした。
 


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